about You 「あなたについて」一緒に考えます

成長と挑戦を可視化して、自己実現を市場化するメディアづくりに挑みます

教育と社会について(導入部分)

今日は、今まで書き溜めていた電子書籍形式で発行する前に、

原稿をサイズとレイアウトを整えていました。

整えたと言っても、まだ未完ですが、

今まで書き溜めたモノのボリュームを確認しました。

A5(148×210mm)140p分になっています。

前半・中編・最後尾のうち前半パートが140pとなっていることに

まだ書き終わらないのか・・・と自分でも悶絶します。

中編を短くしようと、ショートカットを考えています(苦笑)

ここでは、今まで載せた部品で短く、項目の導入部分ですが

ブログに乗せることにしました。あくまでも項目導入の原稿なので

物足りなさがありますが、書き足していったら載せてまいります。

 

教育と社会

私自身は、教育課程における教師ではないことから、

現場における子供の学力や心理面のケアに携わったことはありません。

同様の方が大半を占める中で、

一見教育論をぶつけることにためらいを覚えますが、

ここでは、理想とするものを掲げるアプローチではなく、

少し引用を挟みながら、今の社会における既に長期間にわたって

システム化されている「教育の弱点」を見つめたいと思います。

 

そのうえで、私が主宰する「あなたを社会に届けるメディア」

about Youで展開しようと企画する

「個人とビジネスと社会を結ぶ出会いと学びの体系」の

コンセプトに紐づけてまいります。

 

予め申し上げます。

教育自体は切り取り方が様々であることは承知しています。

現場で奮闘されている方々の苦労と歯がゆさに、

私の私見を挟む余地がないことも理解はしています。

 

ただ、私が案じているのは、

その苦労と奮闘が社会の中で

急速に役割を失うまでに行かなくても、

機能を果たさなくなる可能性があることです。

現場の方々の苦労と奮闘に意味を見出すために、

ここでいくつかの視点を展開する

という趣旨であることをお伝えします。

 

ここで取り上げるのは3つです。

 

   1.「モデルなき社会」における

   教育の方向性

 2.「日本3.0」における

   時代に合った人づくり

 3.公教育が持つ弱点を克服するリスト

 

ひとつ目は、2017年5月経済産業省上梓の

「不安な個人 立ちすくむ国家」において、

「モデルなき社会」と呼ばれる貧困と格差の固定等によって

個人の選択が歪められている社会の液状化が起こっていることが

共有されたことに触れました。

 

共有されたレポートの中に、

私たちが取りたい方向性として掲げられているポイントとして

 

子供や教育の行ける投資を

財政における最優先課題に

 

が掲げられています。スライドの転載とともに、

中身を確認出来ればと思います。

 

ふたつ目については、ソーシャル経済メディア

「News Picks」編集長佐々木紀彦氏が2017年にまとめた

「日本3.0 2020年の人生戦略」(発行:幻冬舎)の

一項にある教育の方向性を掲載して、若干補足をしつつ、

時代に合った人づくりの確認をします。

 

 みっつ目については、「思考は現実化する」で著名な成功哲学者の

第一人者ナポレオン・ヒルが1938年に作成し、

1970年に亡くなった後も含め72年もの間、

書籍化されてこなかったと言われる原稿を訳した

「悪魔を出し抜け!」(2013年発行:きこ書房)にある

「公教育が持つ弱点を克服するリスト」

を抜粋紹介します。

 

複数の視点を一つに乗せる理由は、犠牲者が誕生し、

量産されている原因は今の教育であるが、

犠牲者の価値を解放することが出来るのは

未来の教育だと見出しているからです。

 

ここまで、解き明かしたことにお付き合いいただいたことも

大変だったかもしれませんが、またお付き合いください。

(項目了、項目の続きは原稿区切り次第アップします)

未経験者が経験者に伍する3つのやり方

この項目は、未経験者が経験をしていないコトが理由で門前払いされる前提を

未経験者の実力を解き明かし、

未経験者に次の一手を編み出す力を肉付けすることで、

実力者が経験者に伍するプロセスを思案したものです。

(書きぶりとしては、前回投下した「未経験について」の続きとなります。

文脈が一部繋がらないと思った場合、遡ってご覧ください。

発行を検討している電子書籍の一部として執筆したものです。)

 

選考する側が、未経験者の実力を見極めるやり方

まず、未経験者が持つ実力を推し量るやり方として

既に用意されているテストを課することが挙げられます。

一般常識テストや、SPIが思い浮かびますが、

受験勉強の延長で解き方を知っているかいないか、

または処理スピードが速いか遅いかを確認することに留まります。

 

次に自らが準備したテストを課することも挙げられます。

確かに、良く準備されたものであれば実力を推し量ることが出来ます。

しかし、それはその方の実力の一面しか量れない可能性を持ちます。

 

実力とは、

 ・どこでも通用すること

 ・次の一手を編み出すこと

 ・他での経験から既に発揮されたもの

として捉えてみると、彼から一度聞いてみるしかありません。

 

「あなたの職務経歴を10分でプレゼンしてください」

とお題を投げかけ、彼が引き出した中身を見るのです。

 

この時間は10分、または15分程度で良いかと思いますが、

その後で、適切な補足をお互いにすることを勧めます。

プレゼンでは切り取って伝えている可能性があることから

気になるところは掘り下げ、肉付けすることで

その方の情報の切り取り方を確認することが出来るからです。

 

上手な方も居れば、下手な方も居るかもしれません。

about Youとしては、下手な方へのフォローをも考えるところですが

選考する側としては「加点評価」に留め、

良い傾向があれば取り上げることにします。

 

作法上は履歴書や職務経歴書が要るかもしれませんが

過去の羅列よりは肉付けされるはずです。

 

あなたが自らの職務経歴をプレゼンする側に立った場合、

過去を一度編集する必要が生じます。

私自身は、一度実際にお題を与えられて披露したことがあるので

自分なりにどうしたかという点はお伝えすることが出来ます。

しかし、相手によって何を伝えるかメッセージを変える必要があることから

私がその時どうしたかを書くことは、

ガイドではなくミスリードになる可能性もあります。

 

それでも、一つだけガイドらしいことを加えると、

 ・私を採用するメリット

 ・私を採用しないデメリット

をどこかで一枚書き込むことで、プレゼンらしくなると考えます。

 

そもそも一人ひとりが持つストーリーが違うはずなので、

あなたのものが素案レベルでもパワーポイントで送られてきたら

そこから、一緒に確認し考えるというやり方をお伝えします。

 

一人ひとりが「実力」をつけるやり方

次に、かなり広いテーマとなる項目に入ります。

 

切り出しが難しいところですが、ここでは未経験であることを

精通・熟練していない状態ではなく、他での経験が既にあるが、

故にその分野での経験をすることが出来なかったことと捉えています。

 

本当に未経験である場合は、

体験や情報をカラダに通過させるしかないので

それが出来る機会を獲得することが良いのですが、

 

ここでの問題提起は、

未経験者は経験者に劣るという前提の門前払いによって

新しい挑戦をしようと考えている方が

犠牲者となって増え続けていることにあります。

これは、「モデルなき社会」の中で

一人ひとりの力と手がソコに届かないという一場面です。

 

私は実力を身につける方法は

「提案を創ること」と絞ります。

前の項目で、実力のことを次の一手を編み出すこと」と指しましたが

次の一手」として挙げられる一つが「提案」です。

 

あなたが提案をするとき、あなたが既に何かを持っている、

あるいは手元にあるものを活用しようと持ち掛けることがあります。

しかし、それは用途が予め決まった上での

使い方を案内することに留まります。

 

その場合、提案という言葉を使うことは使いますが、

狭い意味の「御用聞き」に近い提案となります。

御用を聞くことが重要な仕事はたくさん存在し、

場面によっては有効ですが、実力が付くかは別となります。

 

では、どういった提案を試みるか。ここでは、

「変革すべきテーマを、

あなたならどう手に掛けるか」

とします。

 

「変革すべきテーマ」とは、多くの領域に横たわっています。

社会全体の中にあり、

業界を横たわる課題としてあり、

ひとつの業界に共通した課題があり、

組織全体を覆っているものがあり、

あらゆるシステムの中にあり、

部門・部署・職場とレベル問わずあり、

一人ひとりを取り巻く人間関係や、

あなた自身の心の中にもあります。

 

構造が単純なものもあれば、複雑な構造のものもあり、

難易度によって戸惑うものもありますが、

ここに、「あなたなら」という要素が入ります。

 

業務上行う提案の場合、自らに課せられた役割の話が登場するので、

必ずしも、100%自力で行うことが前提にならない場合もありますが、

「変革すべきテーマ」は、業務に絞るわけではないので、

自らが挑戦したい分野や領域に向かって挑戦することも許容します。

 

そこで、「あなたなら」という要素が出てくるのですが、

一人ひとりによって人生が違うので、

あるテーマについて関りが浅かったり

深かったり、自らに降りかかっているかのような焦りを感じたり、

その一方無関心だったりもします。

 

そうした違いがある中で、あなたがそのテーマを

何故「変革すべき」と考えるか切実に感じている理由や、

背景が必ずあるのではないかと見受けています。

 

それが、あなたが持つ「オリジナリティ」です。

他の誰にも真似が出来ないはずのものです。

便宜上言葉にしたり、まとめたりするときに

他の人が持つ情報を参考にし、借りることはあっても、

体験や経験があるからこそ、

あなたが取り掛かることにつながっているはずです。

 

あなたがあるテーマについて変革を考える時、

漠然でも明確でも、「変革後」をイメージしています。

 

しかし、未経験であるあなたが挑戦しようとするとき

変革が始まらないと「変革後」に何があるか分からないかもしれません。

小指の一本も掛からないところから変革を始めることもあるでしょう。

それでも「どう手を掛けるか」を見つける時、

あなたの実力は、一歩を踏み出したという点で磨かれるはずです。

 

あなたが、ある分野で未経験であっても、

自らの領域でこうした営みに携わったことがあれば、

about Youは、あなたの実力を翻訳し編集したいと思っています。

 

実力のある方も、今は未だ無いという方も
引き受けるやり方

ここまで、駆け足で未経験者は経験者に劣るという力関係を

未経験者は既に実力を備えるものであり、

経験者に伍し、凌駕するという力関係に転換することを考えてきました。

 

選考する側と選考される側、テーマの変革に挑戦するあなたに向けて

実力を見出し、引き出すことを意識して書き込みましたが、

ここまでは当事者への語りかけにしか過ぎません。

 

当事者だけに個別に語りかけようとしても、

お届けできる人と届かない人に分かれてしまうので

私は、about Youと名付けたメディアを通して

「プロセス」を興すことにします。

 

STEPは3つあります。

 STEP1. 未経験者が抱く「今の実力」を解き明かす。

 STEP2. 未経験者を「次の一手」が打てる実力者にするための
     出会いと学びの体系を提供する。

 STEP3. 未経験者が経験者に伍し、凌駕するために
     何が必要となるか情報を集め、
     「メニュー」を開発し提供する。

 

「あなたを社会に届ける出会いと学びの体系」Lessonsは、

このプロセスのSTEP2に含まれるアイデアとなります。

ただ、about Youは自己実現の気持ちを解放することに主眼を置くことから

ひたすらビジネス面を追求した体系ではなく、

一人ひとりとビジネスと社会を結びつける体系を前提にします。

 

このプロセスを簡略化すると、下図となります。

f:id:yogi-spice:20200422215518j:plain

未経験<経験者から、実力者>経験者への3STEP

STEP3のメニューは、メニューAからメニューZまで

何本あっても構わないと思っています。

 

思いつくものですが、セールス全般、セールスプロモーション

ブランディング、広報、インベストメント、

経理財務、経営企画、システム構築、ネットワーク構築、

ITコーディネーター、マネジメント、ファシリテーション

コンサルティングスキル、法務、M&A、人事・研修、

webコーディネート、エンターテイメント等のメニューを

Basic・Middle・Upperと難易度毎に10コマずつ準備したく思います。

 

仮にここまで装備出来れば、

選考する側には、彼が経験者にどこまで届いているか

目安を伝えることも可能です。

選考される側にも、順を追って武装できることを可能にできます。

メニューを複数用意出来ればできるほど、挑戦の選択肢が広がります。

メニューの提供を依頼する講師にも可能性を提案することが出来ます。

 

そして、自らの力と手が届かない歯がゆさを抱く方に、

門前払いではなく、挑戦と成長のプロセスを展開できます。

 

まだこの世に無いですが、このプロセスは

実力のある方も、今は未だ無いという方も

引き受けるやり方としてabout Youが興すことに挑むプロセスです。(項目了)

「未経験」について

コロナの影響で時間があっても筆は進まず(苦笑)

不定期に載せている執筆予定の原稿ですが、

項目の区切りまで書いてみたので載せてみます。

 

今回は、「未経験」であることについて書き込みました。

仕事やビジネスの寿命が短くなってきたこともありますが、

一つのことをずっとやり続けることは中々ありません。

 

場所を変えるかは選択次第ですが、私たちが挑戦したいとき

経験がある方に負けてしまいます。

応募したとき相手に届く情報は「自分の過去」しかすぎないので、

年齢が高くなればなるほど、

未経験の分野や領域に挑戦をしようとしても

相手から門前払いによって撥ねられる状況に晒されます。

 

ここに、別の見方を書いてみました。

続きはあるのですが、まとまったら連投することにします。

 

 門前払いされる未経験者

私たちが次の仕事に就こうと求人の案内を見る時、

「経験者歓迎」

「条件:この経験を1年以上していること」

という言葉をよく目にします。

 

募集する理由として、その経験をしている方が社内に居ないことから

経験者を集めようとしています。

 

あなたにその経験があれば、門前払いされることはありません。

あなたに経験が無ければ、条件に合わないとフルイにかけられるか、

応募の資格が無いと門前払いされます。

 

あなたが過去に実力を培い、発揮してきたとしても

門前払いされるのです。

 

世の中に多く居る「未経験者」が抱く歯がゆさがここにあります。

 

私は、「未経験者<経験者」という前提について

他のやり方が無いか見つめました。

 

私は自己実現を「挑戦と成長を通した価値の解放」と捉えなおしていますが、

未経験者が経験者に劣るという前提の下、多くの挑戦をしたい気持ちと

成長したい気持ちが、門前払いになっていることを案じています。

 

但し、未経験者が経験者に伍するには、時間や体験が必要です。

その多くはコストと考えられているので、採用・入社時において

コストを背負うこと無く人材を獲得したいビジネス上の前提があります。

 

「他のやり方」が無いか見つめても、

「他のやり方」を進んで開拓している組織はありません。

 

特に、人材紹介会社や派遣会社のビジネスモデルは、

「あっせん」に留まっていることから、

あなたがした経験を翻訳して提案することはありません。

 

私は、違う前提を興したいと考えます。

それは「実力者>経験者」です。

 

実力とは何か

実力とは、一言で言うと「どこでも通用する」ことを指しますが、

私は、通用するに留まらず、あらゆる局面で

次の一手を編み出せる」ことをイメージします。

 

キャリア上の自己啓発を啓蒙する書籍はいくつもあり、

身に着け伸ばすべき力としてリーダーシップや

プレゼンテーション等がリストアップされています。

確かに身に着けたいチカラではありますが、

ここでは、未経験者を「他での経験が既にある方」と捉えなおし、

あなたが掴んだ学びや、培ってきた体系を翻訳することを試みます。

 

「他での経験」とは、単に業務で得たものを指す他

人生の中で出会った人や本からの学びや、

失敗体験や成功体験から通して掴んだものも含みます。

 

未経験ではなく、既にあなたは経験をしているからです。

 

私が実力を量られたシーン

私が、「実力」というものを言い出したキッカケがあります。

ここからは自己開示となりますので、

あくまでも一つのお話としてご覧ください。

 

私は、2014年中派遣で勤務中、就職活動を並行していました。

某地方都市にある国立大学発の

ベンチャーコンサルティング会社に応募しました。

仕事内容には関心がありましたが、勤務場所が県をまたいだので、

仮に内定をもらっても転居が必要とは思いつつも、

選考について先方から連絡がありました。

 

「メールで送る課題を本日より1週間後に提出してください」

 

開封すると、提出を要するものが「7つ」ありました。

実際のものを掲載します。選考書類が2つと、提出課題が5つです。

選考書類はこのようなものでした。

 選考書類1:自己PRを1枚で自由に作成してください

 選考書類2:エクセルで回答する適性検査

 

自己PRを「自由に」というのが曲者ですし、

提出課題のボリュームと相まって

全体のボリュームに瞬間的に呆然としました。

選考課題は一部省略しますが、お伝えできる範囲で書き込みます。

 

<選考課題 全5Q>

Q1:国や県では、自然公園内の山小屋等のトイレの建設や

  維持に対して補助を行っています。

  しかし、山岳トイレ補助は、過去に国の事業仕分け等において

  廃止や縮小の判定となっており、

  それに対し、関係自治体や山岳関係者が

  反発をするなどの問題が起こっています。

  あなたは、山岳トイレに対する国庫補助を行うべきだと考えますか?

  助成を続けるべきか、続けるべきでないかを明確にし、

  その理由および根拠について述べなさい(A4 2枚以内)。

 

Q2:『地域包括ケアシステム』について、

  1,600文字以内であなたの考えを述べなさい

 

Q3:添付した「課題: Q3説明資料の作成」を読み、

  解答してください。(以下、添付資料抜粋)

  Sさん「来週、市長に「商品開発事業」を説明することになった。

  この事業をどんな目的で、何のためにやるのか、

  そしてどんな成果があるかを市長にしっかり説明する必要がある。

  市長への説明時間は短く、

  文字だけの説明資料では伝わりづらいように思うんだ。

  A4用紙1枚で、この事業をわかりやすく図解してくれないか?」

 

  「商品開発事業」の予算が取れるよう、

  N市産業振興課のSさんの説明資料を作成してください

  説明資料は、A4で1枚です。

  ※解答は面接時に5分でプレゼンテーションをしていただきます。

 

Q4:添付したケースメソッド「RC社 山田二郎氏の憂鬱」を読み

  以下の問いに答えなさい。

  ※解答は面接時に15分でプレゼンテーションをしていただきます。

  よって、パワーポイントによるプレゼン資料を作成し、提出して下さい。

  (ケースメソッドについては、20ページ程にわたる長文なので省略)

 

  あなたは、業務を依頼されたコンサルタントです。

  コンサルタントとしてRC社の課題を整理し、

  その課題を解決する方法を提案しなさい。

  また、その提案がほかに考えられる方法と比べて、

  最も優れている理由について説明すること

 

Q5:M市の人口構成を知るために、

  人口ピラミッド(5歳階級)」を作成してください。

  作成の際には、Microsoft excelを用い、

  必ず単一のグラフで表現してください。

  HPや書籍など何を参考にしてもかまいません。

  なお、問題を解いた手順と、参考にしたHP等も記載してください。

 

私は、添付されていたファイルを見た瞬間、

1週間で出来るのか?と思いました。

特に、Q4のケースメソッドは20ページにもわたったことから、

ページ数だけ見て、派遣での仕事をしながら

1週間後の提出は難しいと思いました。

 

とはいえ、徹夜も挟みながら何とか2つの選考書類と

5つの課題を仕上げ、締切日当日に提出してみました。

 

完成度が良いかも、通るかどうかなんて全く分かりませんでしたし、

内定しても転居は出来ないなと思いつつでしたが、

書類選考を通過したことで、長距離バスに乗って向かいました。

 

課題について順に説明をしましたが、Q4で選考者から

「15分の予定が、相手の都合で10分になった。10分だとどうしますか。」

と投げかけられ、15分で用意したものをどうやって…と思案しました。

30秒くらい考えた後、10分に縮めてプレゼンしてみました。

 

後日、1次選考通過の連絡があり、びっくりしましたが

2次選考もあると聞いて、実際にはそうは言いませんでしたが、

担当者に「まだあるんですか?」と電話した記憶があります。

 

提出課題は一つでした。

 ・市民参加による模擬ワークショップでのファシリテーション

この準備にかかる書類をつくり、当日は1時間15分を使って

ファシリテーションを行うこととありました。

 

これも一応実施要項が書かれていたので、

事前にプレゼンテーション書類を提出し

私なりに準備をして臨みました。

当日は、時間制限を意識して途中駆け足になりつつも、

何とか執り行った後、選考についての感想を聞かれたとき

「とにかく、実力を試されたと思っています。」と回答しました。

 

後日内定を頂いた時、当時同居していた祖母のこともあり、

川崎市からのリモート勤務が可能か打診をしましたが、

やはりどうしても転居を伴うことから、最終的に辞退いたしました。

 

やり取りの中で、選考課題が難しかったこともあり、

選考の人数と内定の人数を確認させていただきました。

選考は24名で内定は3名と回答を頂きました。

 

その後、祖母が1年後に自宅内で体調を崩しました。

同居していなければ、そのまま亡くなっていた可能性があったことから、

内定を辞退し転居をしなかったことが

結果的に家族の命を守ったこととなっています。

 

過去の活動についての自己開示はここまでとなります。

 

何故この話を書き込んだかというと

こういった実力を量る選考は極わずかであるからです。

 

 

「未経験者>経験者」から「実力者>経験者」へ

一人ひとりが持っている実力を量るには、

何かを使うか、通さないと量ることは出来ません。

会って話をするだけで判断出来たらよいですが、

多くは、「あなたは何をしてきましたか」という経歴に留まります。

 

誇れる経歴を持つ方も居ますが、

キャリアを持つ方ばかりではなく、

 ・これから社会にデビューしようという方

 ・新しい分野で自らの価値を磨いていきたいという方

 ・不完全燃焼にある自らに歯がゆさを抱いている方

 ・機会を逸し挽回の道が閉ざされているという方

 ・様々な領域に横たわる変革すべきテーマに挑戦をしたい方

に光を当てたいことから、

「あなたは何をしてきましたか」という過去の経験から

その方が適応できるか判断するやり方とは別のやり方を興します。

 

それが先ほど書き込んだ「実力者>経験者」というやり方です。

このやり方を興す場合、

 ①選考をする側に立ったやり方

 ②一人ひとりが実力をつけるやり方

 ③実力のある方も、今は未だ無いという方も引き受けるやり方

この3つを同時に考える必要が出てきます。

 

多くは、①選考する側に良い方法がありますよと囁くか、

②実力のないあなたが実力を身につけるために教えるかですが

私が主宰するメディアabout Youでは、

一人ひとりに備わっている価値を社会に届けることに挑むことから

③実力のあるなしに関わらず未経験にある方が挑戦できるように

やり方を編み出したいと考えています。(項目了)

一人ひとりが抱く価値と、その4つの領域について

一月前、「生きる価値」という言葉についてブログにメモしてみました。

著作の一部としてメモしておいたのですが、少し肉付けを施しました。

援助職を過去目指したことがあり、今もエッセンスは忘れていませんが、援助職に居る方が、これから認める視点は無いと思います。悩める方へのお手紙とまではいきませんが、「あなたには4つの価値がある」ということをお伝えできればと思います。(著作の部品として書いているので、つながりが見出せない部分もあろうかと思いますが、完成品にする過程で編集する前提でご覧ください)

 

「生きる価値」 ゼロサムではなく、それは4つある

わたしには、生きる価値がない

あなたには、生きる価値がない

 

自分でそう思うとき

人からそう評価されたとき

「生きる価値」という括り方をしていることから、

価値という言葉は、ここでは「全部」であり「一つ」を指します。

自分が「生きる価値」を見出せないとき

人から「生きる価値」を傷つけられるとき

 

about Youは、適切な慰めをかけることよりも

「あなたのつかいみち」を一緒に解き明かすことを持ち掛けます。

 

「生きる価値」がある

「生きる価値」がない

 

このどちらかを選ぶことではなく、

もともと在るが、それが一体何であるか分からないものを

明らかにすることを試みます。

 

明らかになったあなたの価値には、

きっと誰かがそれを待っているという意味を持つ

「つかいみち」を持っているはずだという立場を取ります。

 

きっと色々な考えや、やり方があるかもしれませんが、

about Youでは、一人ひとりの自己実現の気持ちが「ごみ」として

取り扱われていることを案じていることから、あなたが持つ価値を

「ごみ」ではなく、「つかいみち」として考えることにしています。

 

そして、「価値がある」「価値がない」という2元論に苦しむのではなく、

つかいみちを解き明かす切り口として、

価値を一つのものとして見るのではなく

 

「4面ある」という扱いをします。

私は絵が上手くありませんが、描くとすれば球面に描きます。

 

面1 生存

面2 精神

面3 経済

面4 社会

 

大きさが人によって違うという扱い方はここではしません。

そのような比較に使われるアイデアではありません。

ガイドの都合上、この球面を平らに開いておきます。

 

それぞれの面をこう呼ぶとき

面1 生存⇒生存的価値

面2 精神⇒精神的価値

面3 経済⇒経済的価値

面4 社会⇒社会的価値

 

「あなたには4つの価値がある」と言い換えることができます。

 

冒頭にガイドした「生きる価値」は全てであり、一つでした。

about Youでは、あなたが持つ4つの価値に着眼して

犠牲者を解放するプロセスを展開することにします。

 

about Youでは、一人ひとりが抱く「4つの価値」をそれぞれ一言に表現します。

 

生存的価値 産まれてきた理由

精神的価値 選択の自由があること

経済的価値 挑戦を通して得る果実

社会的価値 他者と変革すべきテーマとの関り

 

あなたが抱く4つの価値 それぞれのイメージ

私が展開するセッション上では、それぞれを解説することはありませんが、

ここでは、それぞれ補足して、一人ひとりが抱く価値をイメージすることを試みます。

 

1.生存的価値

「産まれてきた理由」と表現しましたが、ドラッカー教授の数々の逸話のひとつ

「あなたは何によって憶えられたいか」を言い換えたものです。

 

ピーター・ドラッカーアメリカで「マネジメントの父」と呼ばれる

社会生態学者、経営学、マネジメントの大家です

ドラッカー氏が13歳の時、宗教の授業で牧師の先生からこう投げかけられました。

 

What do you want to be remembered for?

「きみは何によって憶えられたいか?」

牧師先生は、こう続けました。

「今答えられると思って聞いたわけではない。

でも、50歳にもなって答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ」

 

一見、単なる自己啓発自己実現の言葉です。

しかし、この言葉の持つ意味にはもっと深みがあります。

この言葉が牧師の方の口を通して語られていることから、

この言葉の背後には、「神の目から見て」という超越的な視線があるからです。

 

日本でも過去、明治時代のキリスト者・教育者内村鑑三

『どんな人でも、後に残せるものがある』と遺しています。

それはお金でも、事業でも、思想でもなく、「自分の生き方」だと

自分の歩んできた生涯こそが「後世」の人々を鼓舞します。

「後世への最大遺物」より

 

ドラッカーよりも前の時代においても、

「自分の生き方」を見つめる視線があるにもかかわらず

今は、事業の名のもとに犠牲になっている価値の一つが「生存的価値」です。

 

2.精神的価値

多くの心理的問題が何故引き起こされているかを見つめたことから

「選択の自由があること」と表現しました。

 

民主主義の国に居る私たちには、憲法上は多くの自由が備わっているはずです。

ただ、私たちの生活や社会にその自由が在るかというと別の話になり、

生まれながらの制約や制限がかかっていたり、

目の前に選択肢が用意されていない状況もあります。

ことさら、ここに書き込まなくても分かっている話ではありますが、

これが「自分の生き方」にまで及ぶ場合、

選択の自由が傷つけられていると見ます。

 

私がカウンセリングを学んでいた時期、

国分康孝氏(1930-2018)のいくつかの著作から学びを得ていました。

彼は「自由」について、心の自由としてのフリーダムと

行動の自由としてのリバティの2種類があることに触れています。

 

心の自由―フリーダムとは、心の中に規制があるかないかです。

「気に入られたい」「怒らせてはいけない」「波風立ててはいけない」といった

規制がかかっている、あるいは自らに課すことで自由に選べないことを指します。

 

行動の自由―リバティとは、状況の中でどう振舞うかです。

自身の理解が深まることによって選択肢が増え、

または上司や他者からの働きかけによって自由度が増したり

逆に制約がかかることがあることを指します。

 

国分康孝氏は生きている(being)ということは、行動を選ぶことの連続であり、

自律している人は、自分で自分の行動を選べる人のこととしています。

 

自律のない状態は、自分で自分の行動を選べない状態を指しますが、

子供の場合だと言葉の表現に選択肢がないために、

近親者や教師は、容易にフリーダムもリバティも奪うことは可能です。

 

大人になった場合は、直接近親者や教師と関わることは少なくなりますが、

社会の中でフリーダムとリバティに傷がつき、

奪われていくというシーンに遭遇します。

 

about Youでは、モデルなき社会と、壊滅的な生産性が、

一人ひとりが持つ「精神的価値」を傷つけていることを

犠牲者が産まれ、犠牲者が量産されていると見て、

その回復の道筋はないか見つめようとしています。

 

3.経済的価値

この面は、「挑戦を通して得る果実」と表現しています。

ここは、他にも上手い言い方があるのではないかと思っていますが、

必ずしも金銭の多寡で測れないシーンもあることから、「果実」としています。

「結果」という言い方もあるかもしれませんが、時間を要したり、

他者からの援けがあって出来ることもある可能性もあることから

自身の行動とイコールでないこともあるだろうということも含んでいます。

 

産まれながらに富を持っているという方もいれば、

どう足掻いても自分の望み通りにならないこともあることから

不平等であることを痛感する価値の一つです。

 

とはいえ、「自分の生き方」を築き、自ら培った力を証明することを意識すると

産まれながらに持ったものだけで、そう出来る方は多くはなく、

「課題」と「目的」の置き方に違いを設け、

自分の持っているものをアレンジ出来るというのが

経済的価値の確立のだいご味ではないでしょうか。

 

ここでは経済的価値をどこで産み出すかについて、領域を掲げておきます。

「課題」と「目的」が「パーソナル」「ビジネス」「ソサイエティ」に

どう向かうのかを例示します。

 

まず、課題を見つめるシーンにおいて書き込みます。

パーソナルにある課題に視線を向けるシーン

 ・自らの内的世界や可能性を広げたい

 ・長年のコンプレックスを解消・克服したい

ビジネスにある課題に視線を向けるシーン

 ・携わっているビジネスに必要な売上や利益の目標を達成・実現したい

 ・マネジメントやマーケティングやシステムの効率や生産性を改善・向上したい

ソサイエティにある課題に視線を向けるシーン

 ・目の前に不合理や不条理な状況があり、手を差し伸べたい。

 ・世の中の意思決定のあり方に疑問を抱き、正しく行動をしたい。

 

次に目的をもった行動を取るシーンを書き込みます。

課題に直結することが多いですが、整理のために

個別の課題に直結しないシーンを書き込んでいます

 

パーソナルな目的をもった行動を取るシーン

 ・他人やソサイエティのことには関心を払わずに、利益を自身に誘導したい。

ビジネスに目的をもった行動を取るシーン

 ・携わっているビジネスを上手く導くために、自分はその役割に徹する。

ソサイエティに目的をもった行動を取るシーン

 ・距離を問わず接点を見出した領域に、自らが可能な貢献を模索し、行動に移す。

 

この課題と目的は、下表のようにマトリックスにも出来ることから

一人ひとりにある経済的価値をどの領域に見出すか、そのバリエーションは豊かです。

f:id:yogi-spice:20200404172322p:plain

about Youでは、意味や意義の優劣をここでつけることよりも、

異なる領域に居る者同士が語り合うことが出来るようにすることを意識することから、

それぞれの領域にあるテーマを見出すために一覧を試みています。

 

4.社会的価値

最後に掲げた社会的価値とは、「他者と変革すべきテーマとの関り」です。

この項目の最初に、「あなたには価値がある/ない」とゼロサムの話をしましたが

一人ひとりが「自分がそれを持っているか」悩む価値の一つです。

 

有無だけでなく、経済的価値と同じく、またそれ以上に「高いか/低いか」で

悩む人もいることも事実です。

一方、あまり深く考えなければ、距離感を選ぶことが出来る価値とも考えます。

 

一人ひとりが自身と社会との距離をどう保つか、自由であることから、

ここでは何らかの啓蒙をすることを目的としては居ませんが、

距離を保つ自由がある一方、不条理や不合理がそこにあると感じる方が

積極的にそこ関わりたいと思ったとき、自分のできることが少なく、

距離が遠いと感じる方も多いはずです。

 

特に貧困と格差にまつわる状況は、社会参加・参画への活力を奪い

社会を変えられると思っていない若者が増加している情勢は、

社会の変え方を教える大人が若者の前に現れていないコトを指していそうです。

 

「価値」という言葉を切り分けて書き込んでいますが、

社会的価値については、ここでは「有無」や「高さ低さ」ではなく、

遠くにある一人ひとりと社会との距離を越えて、

不合理や不条理にどう関わるかという切り方から

「他者や変革すべきテーマとの関り」としています。

 

関りの対象のひとつを「他者」としたのは、

目の前に居る人に手を差し伸べることによって

自身の価値を確かめるシーンがあることからです

 

関りの対象のもうひとつは、「変革すべきテーマ」としています。

「社会的課題」と置き換えたい人も居るかもしれませんが、

課題という言葉は、もう少し的を絞った後に出てくるポイントにあり、

人が抱く価値と等価にある範囲を考えた場合、

広く捉ることのできる「テーマ」という言葉を選んでいます。

 

そしてそれは、単なるテーマではなく、

そこにある不条理や不合理をどうしたいか考えると

それらは「変革すべき」ものであり、変革を望む人が居るからこそ

あなたが関わる意味があるだろうと考えています。

 

ここでの「社会的価値」は、高い低いではなく、「深さ」を表すことから

「関り」という言葉を掲げることにしています。

 

about Youとあなたが持つ4つの価値との関りについて

ここまで4つの価値について、書き込みをしてみました。

私も、書いていてもっと良い一言があるかもしれないと思っています。

about Youはもともと「犠牲者を解放する」という着眼を持っていることから

 

あなたについて

この世に産まれてきた理由を、共に解き明かし

傷つけられた選択の自由を拡げるよう、働きかけを創造し

果実を得るための挑戦の機会を増やすよう、場づくりをし

他者と変革すべきテーマとの関りから引き出される力を証明します。

 

about Youの各メニューは、以上の4つの価値のどれかにかかわり

他の価値につながり、他の価値同士を結びつけることを意識しています。

 

但し、それぞれの価値を磨く方法について、ここでガイドすることは控えます。

 

その方法は、私が持っているモノではなく、

共に解き明かし、働きかけを創造し、場づくりをし、力を証明する過程にあることから

about Youは、様々な領域にある価値を高め磨く存在たちを

コーディネートすることによってあなたの価値を磨くことを試みます。

 

その一つが、あなたの「次の一手」につながる学びと出会いの体系として

これから編み出し展開を予定する「Lessons」です。(項目了)

個人とビジネスと社会を取り巻く情勢

コロナに翻弄されることになった2020年

2020年4月1日現在、首都圏などの地域に「緊急事態宣言」が出されるかが

日々検討され、その動向が報道されています。

2019年末に中国武漢市から端を欲した最大級の感染症が世界中に拡がり、

多くの活動に、法的、政治的に行われる外的制限以上に

市民として自ら課す内的制限がかかっている情勢に陥っています。

 

相手は目で捉えることはできませんが、確実に猛威を振るっていることから

質が悪く、戦い方も慎重かつ大胆に展開せざるを得なく、

収束するまで先が見えないことに疲弊している現状となっています。

 

ここに良いシナリオを用意する役割は、

政治的判断に委ねざるを得ないかもしれません。

一人ひとりが出来ることは多くはなく、

ワクチンの開発または、有効な治療薬が特定されるまで

感染を拡げないという役割に徹し、刃を砥ぐことに限定されそうです。

 

大戦以来の未曾有の危機が訪れたこともあり、

「その前」がどうだったかということがすっかり忘れられています。

ここでは、今私たちを覆っている危機から

すこし前にさかのぼってお伝えすることにします。

 

2017年に共有されたある危機感

2017年5月、経済産業省からひとつのレポートが共有されました。

「不安な個人 立ちすくむ国家」

第20回 産業構造審議会総会(2017年5月18日)における部会資料の一つとして、

省内若手プロジェクトから東京大学教授陣と、

松岡正剛氏をヘッドとする有識者との意見交換を経て提供された

一人ひとりを閉塞感が覆う産業構造における危機感を表したものです。

 

その危機感を、一言で表しています。

「モデル無き社会」です。

目にしたことが無い方も多いようですので、ここで紹介します。

スライドは、70枚ほどあるので、全てを載せるわけではありませんが、

ここに一枚だけ載せます。

f:id:yogi-spice:20200403125546p:plain

経済産業省「不安な個人 立ちすくむ国家」スライドより



公表資料ですので、pdfでご覧いただくことが出来ます。

この1枚は、私たちが漠然と抱えている不安・不満を凝縮したものです。

私たちが抱えている不安・不満は4つあります。

「早すぎる変化」

「あふれる情報」

「変わらない仕組み」

「見えない将来」

この4つの不安・不満は、組織中心社会から個人中心社会に移行する中で

個人の決断やリスクテイクに依存する領域が増大したことから

沸き起こっていると書き込まれています。

そして、この4つの不安・不満が覆う社会の液状化

「モデル無き社会」と言いまとめています。

  

次表に、本レポートにおいて「モデル無き社会」を構成するデータを
一覧しておきました。(羅列ですので、読み飛ばしていただいても可)

問題提起1 居場所のない定年後

内閣府   「平成25年度 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査結果
 ⇒就業を希望しても1割程度しか常勤の職に就いていない

内閣府   「平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果」
 ⇒7割の高齢者は地域における活動にも従事していない

内閣府   「平成25年度 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査結果

 ⇒家族や仕事のある高齢者は充分に生きがいを感じるが、

  独り暮らしや仕事なしでは生き甲斐を感じにくい

 

問題提起2 望んだものと違う人生の終末

厚生労働省 人口動態統計/人生の終末段階の医療における厚生労働省の取組/
医療給付実態調査報告 

 ⇒現状病院以外で最期を迎えるという選択肢はほとんどない

内閣府   高齢者の健康に関する意識調査

OCED   OECD Health Data 2014 OECD Stat Extracts            

 ⇒国民医療費の2割が80歳以上の医療費でありその多くを入院費用が占めている

 

問題提起3 母子家庭の貧困

OCED   OCED Family Database

 ⇒母子家庭の過半数は貧困で、日本だけ突出して高い

厚生労働省 平成26年度 所得再分配調査                                                      

 ⇒母子世帯は高齢世帯に比べセイフティネットの恩恵を受けていない

 

問題提起4 非正規雇用・教育格差と貧困の連鎖           

総務省   就業構造基本調査 労働力調査 民間給与実態統計調査 

生命保険文化センター 生活意識調査             

連合総研 BCG分析          

 ⇒貧困が連鎖・固定化する構造

OCED   Social Expenditure/Labor Force Statistics

 ⇒現役世代に極端に冷たい社会

 

問題提起5 活躍の場がない若者      

内閣府  平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査

 ⇒日本の若者は貢献意欲が高いが、社会を変えられると思えていない

日本生産性本部   平成28年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

 ⇒若者は社会貢献を諦め、自分中心になっている可能性

未来投資会議      平成29年5月12日 東京大学総長プレゼン資料

 ⇒大学においても若手研究者の活躍の場が急速に失われている

 

問題提起6 多様な人生にあてはまる共通目標を示すことが出来ない政府

内閣府  国民経済計算/国民生活嗜好度調査

 ⇒1人当たりGDPが伸びても、かつてのように個人は幸せにならない

国連     World Happiness Report他

 ⇒1人当たりGDPが幸福度に与える影響は世界的に低下している可能性

  つながりや「健康寿命」も幸福の重要な要

 

問題提起7 自分で選択しているつもりが誰かに操作されている?             

Gallup  2016/Sep. Americans' Trust in Mass Media Sinks to New Low            

PEW RESEARCH CENTER             2016/Feb. The 2016 Presidential Campaign-a News Event That7S Hard to Miss

 ⇒既存メディアに対する信頼は低下し、ソーシャルメディアが信頼される傾向

about Youでは、マーケットリサーチは経産省が代わりに行ったものとして扱います。

 

本レポートが17年末に文芸春秋社から書籍化された後、

2019年5月頃、実際に若手プロジェクトのお一人と、

意見交換をさせていただきました。

 

私の当時のアイデアはアイデアとしてお話しましたが、

お墨付きを頂くことが目的ではなかったことから、

「モデル無き社会は打破できるかどうか。その役割を担っている方はいるか」

という質問を最後にしたところ、官僚氏はこうコメントされました。

 

「モデル無き社会は、既にそうだから変えられない。」

「モデル無き社会について、明確な打破を目指した動きはない。」

Facebookに代わるコミュニティを一から築くことは労力が多大で意味がない。」

「制度設計は一定の進捗にある。」

 

そして、「若手プロジェクトは解散している」とのことでした。

これは、官僚機構の人事異動サイクルの都合でもあるので、

それほどのことではありませんが、

「モデル無き社会の打破」は、経済産業省官僚の役割ではないことを確認しました。

 

「不安な個人 立ちすくむ国家」はFacebookをはじめとして、

官僚が従来の枠組みを越えて提言したと一時期話題になったものです。

しかし、3年経過した今、残念ながら出しっぱなしに近いものとなっています。

危機感として表した「モデル無き社会」を打破する役割が彼らにないからです。

 

そして、2017年5月、同じ月に産業構造に関する情報が海外から届きました。

 

壊滅的な生産性

「ストレングス・ファインダー」というものがあります。

「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」

という書籍(2001年12月初版:日本経済新聞社)を購入することで、

診断サイトにアクセスできる自己分析ツールです。

 

約180の質問に回答した後、人が共通して持つ34の資質について、

上位5番目までの順番とそのサマリーが手元に届きます。

フィーを支払うと、34全ての順番が届く仕立てです。

 

2017年5月、その新版が出版されました。

「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」

この出版を記念して、都内ホテルでカンファレンスイベントが開催されました。

私は「Gallup社」の会長ジム・クリフトン氏の講演を一参加者として聴いていました。

 

壇上で披露されたデータは、日本経済新聞社で記事(2017年5月26日)になっています。

世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。

 

企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した。

 

かつて「会社人間」と言われた日本の会社員は勤務先への帰属意識を徐々に無くしてきた。それでも仕事への熱意がなぜここまで低下したのか。どうすれば改善するのか。来日したギャラップのジム・クリフトン会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

 

――日本ではなぜこれほど「熱意あふれる社員」の割合が低いのですか。

「日本は1960~80年代に非常によい経営をしていた。コマンド&コントロール(指令と管理)という手法で他の国もこれを模倣していた。問題は(1980~2000年ごろに生まれた)ミレニアル世代が求めていることが全く違うことだ。ミレニアル世代は自分の成長に非常に重きを置いている」

 

「それ以上に問題なのは『不満をまき散らしている無気力な社員』の割合が24%と高いこと。彼らは社員として価値が低いだけでなく周りに悪影響を及ぼす。事故や製品の欠陥、顧客の喪失など会社にとって何か問題が起きる場合、多くはそういう人が関与している」

 

――どうすれば改善しますか。

「主な原因は上司にある。上司の言ったことを、口答えせずに確実にやれば成功するというのが従来のやり方だった。このマインドセットを変えないといけない。上司と部下が一緒になってどう結果を出すか、部下をどうやって成長させていくかを考えることが上司の仕事になる」

 

「それには部下の強みが何かを上司が理解することだ。これまでは弱みを改善することに集中するのが上司の仕事だったが、得意でないことが強みに変わることはない。無気力な社員の半数は自分に合っていない仕事に就いている。合った仕事に変えるだけで無気力な社員を半分に減らせる」

 

――米国でマインドセットが変わったのはいつごろですか。

「15年ほど前に動きが始まった。それまでは大手テレビ局も3つ、自動車メーカーも3つ、航空会社も3つと、どの業界も寡占で安定していた。自由化が進んで厳しい状況に追い込まれ、強みを伸ばすことに注力したことで、米国では『熱意あふれる社員』の割合が高まり生産性も上がった。強みを伸ばし熱意ある社員を増やせば業績向上につながることは当社の顧客の事例から証明されている」

 

――日本企業も変われますか。

「日本企業は今、厳しい状況にある。私は過去20年で10回訪日した。当初は日本のリーダーはマインドセットの変革に興味を示さなかったが、今回来日した際の興味の高さに驚いた。生産性を高めることに対する危機感が強い。大きな変革は困った状況にならないと起きないという点で、今は逆にチャンスだ」

 

この世界と比較された私たちを取り巻く現状は、

経済産業省も直近の働き方改革におけるレポートや

講演の中で引用活用していることから、

マーケットリサーチとしては充分現状を反映しています。

 

マネジメントは、それまで生産性向上に資するように

導入・研究・改善が続けられてきました。

しかし、「6%」という数値については、

私たちを取り巻くマネジメントは生産性において

「壊滅的である」であると言い換えるしかありません。

 

同じ月に発信された2つの情報

私は、半年ほど経過してから、あることに気が付きました。

 私たちは「モデル無き社会」に居ること

 マネジメントが「壊滅的な生産性」であること

この2つの情報が、「同じ月」に発信されていることです。

 

同じ月に起こったことに気が付いた時、

これは、両者による犠牲者は量産されているはずだと見つめました。

 

経済産業省アメリカの調査会社と出所は違いますが、

どちらも多くの「従事者」を取り巻く情勢であり、

どちらもネガティブなポジションから道筋を導き出したいあり様です。

私は2017年3月に退職し、4月から「あなたについて」考える働きかけを

どうしたら形に出来るだろうかと構想を練っていた時期にあったことから、

2つの情報の背後にあるニーズがそこにあると見立てました。

 

では「マーケット」は、どこにあるのでしょうか。

about Youでは、「国内に居る従事者の94%」を狙います。

総務省統計局HPから、労働者人口を見るとこうあります。(2020年2月時点)

(1) 就業者数,雇用者数

   就業者数は6691万人。雇用者数は6026万人。

(2) 完全失業者数

   完全失業者数は159万人。

 

(1)にある雇用者数の94%と、(2)の失業者数が

モデル無き社会と壊滅的な生産性の犠牲者であると翻訳します。

 6,026万人 × 94% + 159万人 = 5823.4万人

5,800万人という日本の約半数にわたる犠牲者をカバーするやり方が展開できないか

見つめたいと思います。

 

「弱きが、さらに弱きに刃を突き付けている」社会

ここまで、2つの情報が関連しているのではないかと書き込みしました。

2017年5月から2年経過した、2019年5月にある事件が起こりました。

 

川崎市登戸通り魔事件」です。

 

加害者が私立小学校のスクールバス待機列及び同小学校の保護者に対して

無言で奇襲した後自殺し、それも約十数秒という短時間で実行された

死亡者2名、負傷者が18名に至った事件でした。

 

加害者は長期の引きこもり状態にあったことから、

いわゆる「8050問題」がクローズアップされたことや、

その数日後、長期間にわたる家庭内暴力に苦しんだことから

農林水産省事務次官が、息子を殺害するという事件も起きており、

被害者が同様の無差別な事件を引き起こす可能性を危惧しての犯行であったことから

社会と交わらない期間が長期にわたることの対処の難しさが印象に残る出来事です。

 

引きこもり問題と殺人事件を安易に結びつけたくないという立場の方もいたことから

報道以上の深掘りがされなかったですが、

私は殺人事件と行かなくても

本人が社会のせいにしているという意味での内的原因と、

関係者または支援者の努力とは違う領域にある外的原因が

加害者に長期にわたって作用して、

長期の引きこもり・閉じこもりから彼を引き出すことに

失敗したと言えるのではないかと思います。

 

私自身は、「引きこもり」になったことはないですが、

人生がどこかでつまづき失敗したとき、

「その遅れを挽回できるプロセス」が用意されているかといったら、

少なくても彼らの目の前には登場していなかった。

 

関係者・支援者ともに、引きこもりにある方が彼のペースで社会へ適応していくことを

期待していたとしても、その社会のほうが彼を「ごみ」のように扱い、

彼がそれを敏感に感じ取っていたとしたら、

社会は彼が引きこもる作用を与えていることになります。

 

これまでも、社会に適合・適応できないことに苦しむ方が居たことは事実ですが、

原因となっているだろう特定の関係者に対する怒りの感情を抱くことはあったとしても、

その結末として、彼が長期間溜めに溜めていた攻撃性が無差別な方向に向かうことは

あまり事案が現れていませんでした。想定もしていなかったことです。

 

about Youでは、一人ひとりの自己実現の気持ちを見つめていることから、

2017年に出た「モデルなき社会」と「壊滅的な生産性」の延長に

「弱きが、さらに弱きに刃を突き付けている社会」があり、

状況が悪化していると見ています。

 

モデルなき社会と壊滅的な生産性は、従事者と取り巻く情勢ですが、

「弱きが、さらに弱きに刃を突き付けている社会」は、

社会的弱者と子供世代を覆う情勢です。

特に子供に突き付けられているのは、攻撃性ある無関係者のナイフの先だけではなく、

近親者からの虐待や、いじめに代表される攻撃を伴う人間関係の悪化であり、

壊滅的なマネジメント下に置かれている教師からの評価による個性の抑制です。

 

先ほど、マーケットは「5,800万人」あるという試算をしましたが、

こういった子供世代を含めると20歳未満の人口が「2,153万人」いることから、

 5823.4万人 + 2,153万人 = 7976.4万人

        (平成30年2月時点統計)

 

およそ「8,000万人」を対象に、プロセスを用意し展開しないことには

 「モデルなき社会」

 「壊滅的な生産性」

 「弱きが、さらに弱きに刃を突き付けている社会」

はこのまま変わることはありません。

 

ちなみに、政治は役割として重要ですが、変わりません。

上の3つを手に掛けるプロセスは「創造」を伴う行為が不可欠だからです。

政治は「創造」ではなく、「統治」と「分配」が役割なので、

期待したいことはありますが、ここでは省いて考えることにします。(項目了)

マッチングとコーディネートの違い

少し時が空いてしまいました。
特に、3月下旬は風邪が思ったより長引いたことにより、
例の感染症の疑いを持ちつつ、日々を過ごしていたからです。
朝は平熱なのに、日中高熱になり、
外出の途中で思わずカラオケボックスで数時間寝ころんだ日もありました。

幸い、思わず駆け込んで行った検査も陰性だったので、
風邪が長引いただけということで、最悪は避けられています。

 

執筆を再開したので、一部を投下してみます。
今回は、「マッチング」と「コーディネート」についての違いをしたためました。

私たちは、特定の情報を入手するときに「マッチングシステム」を利用します。

異性探し、就転職情報、何らかの物件を掘り当てたいといった
特定の目的があるときに、情報群を条件をもって特定したいときには
威力を発揮しますが、私たちが新しいシナリオを編み出したいときには
「そこには何も無い」というのがマッチングシステムだと見立てています。

単に異性探し、就転職情報、何らかの物件を掘り当てたいときに
用意されているサイトであれば、あきらめもつきますが、
GAFA他、プラットフォームはデータマッチングの集合体なので、
機能として個人からの発信が出来るから、
GAFAが「コーディネートしてくれる」と誤解をしてしまうと
何もないことに気づくのに時間がかかります。

ここまでは、無理くり短くしたためましたが、
ここから書籍用にしたためたモノを引っ張り出しますので
気のすむところまでご覧ください。

特に今回は病み上がり後なので、様子見兼ねた投稿です。
皆さまもお体に十分配慮くださいませ・・・


【マッチングシステム⇒コーディネート】

1.バリエーション豊かなマッチングシステム

2012年3月頃、九段下のスターバックスの2階から、
専修大学の卒業生が武道館から出ていくのが見えました。

たまたま隣に座った卒業生と思われる女性に
「今日、卒業式だったんですか」と語りかけました。

いきなり話しかけてしまったのでびっくりさせてしまったかもしれません。

彼女の次の約束まで何となく30分くらい話をしたのですが、
「コーヒーミーティングって知っています?
知らない人同士がお茶するっていうアプリがあるんですよ」
と彼女から教わりました。

 

無料で登録して、知らない人同士が約束してお茶をする。
恋愛目的ではなく、出会った人から何かを得るか分からなかったですが、
当時はアクティブな登録者も多く、時期的には20~30人程お会いしました。
今は、ニーズが何回か周ったことから、全体ミーティング数も減っています。

 一ユーザーとして、今も時折眺めていますが、
「アクティブではない」という印象を抱きます。

この印象は、あくまで一ユーザーに留まるものであり、
サイト運営者の収支や方針について、
ここで論評・分析することは趣旨に外れますが、
少なくても、「アクティブではない」という印象を変える
「コーディネート」はしていません。

その他にも、スマートフォンを活用して様々な情報のマッチングが行われています。
まさしく、「マッチング全盛期」です。

 

世にはどういったマッチングシステムがあるでしょうか。
 ・個人売買を促すもの
 ・異性の出会いを補助するもの
 ・仲人の延長線上にある結婚サービス
 ・就職・転職活動に利用されるエージェントサービス
 ・不動産・賃貸など物件の情報提供

個人間で行うものもあれば、企業組織が持っている情報を提供することで
ニーズを拾うことを試みるサービスは、ここでリストアップする以上に
バリエーションが豊かです。

ニーズとニーズを引き合わせる機能を用意し、
その中にあるデータベースを活用して展開されるプラットフォームは
多くのサービスのアクセスを容易にしています。

 

そして、単一目的に留まらないプラットフォームとして、
既に「GAFA」と言われる巨人が席巻し、
国内マーケットの開拓に挑むものも複数存在します。
私たちは、サービスを容易に利用できる代わりに、
無尽蔵に下りてくる彼らからの情報のシャワーの下で、
私たち自身がプラットフォームを構成する
ユーザーの一人として「ピース」となっています。

 

一人ひとりはマーケティングにおける
データのピースとして扱われることはあっても
今展開されているプラットフォームで行われているマッチング行為は
ピース同士を合わせるという行為に留まることから、
一人ひとりは「社会に届かない」という情勢にあるままです。

 

何故、プラットフォームを使っている私たちは社会に届かないのでしょうか。
その理由は、プラットフォーマーの行為はマッチングに留まり、
コーディネートによる創造に関心が無いからです。
ただし、どう関心を払うかというやり方は非常に難しいものがあり、
答えはそう簡単に見つかりません。

 

マッチングとコーディネートを同一にすることが出来ない以上、
コーディネートに特化したやり方を設計し建築することが案の一つです。

ここから、「コーディネート」についての一考を書き込みます。

 

2.マッチングとコーディネートの違い

辞書的な話から入りますが、
マッチングは「合わせること」「組み合わせること」を指し、
コーディネートは「調整すること」「調和すること」を指します。
コーディネートする人を「コーディネーター」と呼ぶことはありますが、
マッチングする人を、「マッチャ―」などと呼ぶ言葉は在りません。

 

どちらの言葉も「行為」ですが、
「コーディネーター」がマッチングを行うという日本語はあっても
「マッチャ―」がコーディネートを行うという逆の言い方はありません。

 

どちらの行為も最適に行われることが期待されますが、
マッチングにおいては、在るものと在るものとの組み合わせを考え、
モノが手元に無ければ「マッチングが出来ない」という結論になります。

コーディネートにおいては、必要なものが手元に無いとき、
適切に「調達」することも選択肢となります。

 

一人ひとりが犠牲者として押しとどめられている状況の打破を目指そうとするとき
私たち一人ひとりに何かが欠けていることで
「マッチングが出来ない」という結論を下ろすだけでは、
犠牲者は犠牲者のままです。

彼らに必要なものが手元に無いとき、それが何かを見つめ、
適切に「調達」を試みることがマッチングとコーディネートの違いです。

 

about Youは、「コーディネートのプラットフォーム」が出来ないかを見つめます。
ここでは、あなたが行う「コーディネート」においての
視点・ヒントのいくつかを書き込みます。

 

①その「在りか」を知る。

遠くにあるものを結びつけようとするとき、何と何がどこにあるかを
仕入れる必要があるかもしれません。
仕入れ」は、必要なときにするしかないですが、
自らの過去に起こった出来事や、そこから掴んだ学びを振り返ることも
仕入れ」です。

 

②頼んでみる。

「頼んでみる」という言いまわしていますが、
これは「普段はそうしないが、今回はそうしてみる」ことを含みます。
相手に寄るかもしれませんが、提供される言葉や働きかけには
あなたが得る気づきやキッカケがあるかもしれません。

 

③アレンジ出来ることを意識する。

あなたが試みようと思っていることを相手に伝えると、
彼や彼女が持っているテーマと結び付けてくれることがあります。
あなたが持っているそのプランはきっと彼ら用にアレンジできるはずです。

 

④自分の手を使って相関図を描く。

あなたがそれを考える時、模造紙とまでいかなくてもデッサン用紙や
方眼紙を用いて、全体を描いてみることをお奨めします。
全体を描いた後も、それがHPになる/するとしたらどうなるか
レイアウトを試みたり、色分けや、カードに分割するなどして
一つ一つの使いみちを想定しておくことも準備となり得ます。

 

⑤リ・デザインを試みる。

社会や業界に横たわる変わらない仕組みを見つめる時、
それは「既にデザインされている」ものとして捉えます。
しかし、部品の交換以上にかたちやデザインを変えたいと思ったとき
どういう形であるか、デザインになるかを描くことを通して
あなたのこれからの関りを見つけることが出来るのではないでしょうか。

 

⑥ブレイクダウンしてみる。

マンダラチャートは陳腐なレイアウトですが、一定程度役に立ちます。
ひとつのテーマに8つの切り口を書き込み、
その8つの切り口にも、それぞれ8つ書き込みをするのですが、
1枚に描く量としては、適切であり優先順位も付けられるかもしれません。
まず100個書いてみるというリストのアップの仕方もありますが、
これらのブレイクダウンを通して、あなたが必要に応じて取り出すことで
あなたの考えを人に伝えることの助けになるはずです。

 

⑦フレームの「外」にあるものを見出す。

コーディネートを試みる時、何を結びつけるか、どう調和するかを考えます。
内側にあるものを使うことは既に試みられているはずです。
選択肢や手元にあるカードは多いほうがあなたのイメージにより近づくとすれば
内側にあるもの以外に、あなたのアイデアやフレームの
「外」にあるものを見つめたいものです。

 

⑧テーマにある「可能性」を探る。

「可能性」この言葉だけで、一冊の書籍が出来上がるくらいの深さを持ちます。
あなたが、あるテーマについてコーディネートを試みる時、
今のシナリオを書き換えることを考えているのではないでしょうか。
今のシナリオを次のシナリオにするとき、
必ずしも魅力的に書き飾る必要はないですが、
可能性を探ることは、今在るものが次のシナリオでは
どう輝くのかを示すことではないでしょうか。

 

⑨人に話して「様子」を見る。

あなたが試みるコーディネートは、
右から左に積み木を動かす程度のものもあれば
土台を要するレベルのかもしれません。
あなたのコーディネートが困難に挑むものであればあるほど、
フレームやマーケットに潜むニーズに応えることが出来るか
自ら確かめることが必要になってきます。
あなたが確信を抱くまで「様子を見る」ことで、
あなたのコーディネートは肉付けされます。

様子見をする程度でしたら、あなたの勇気は傷つくことはありません。

 

⑩自分で言葉を積み上げる。

あなたは問題意識と目的意識を抱いて、コーディネートします。
その問題意識をどう掴み、目的意識をどう掲げるかは、
あなたが情報と事実をあなたがどう見つめたかによります。
積み上げられる言葉によって、あなたはあらゆる壁に対して
道を示すことが出来る可能性があります。
受け売りではない言葉を待っています。

 

いくつか掲げてみましたが、こう掲げてみると、
データマッチングは、私たちが何かを選択するときに
情報群から条件をもって絞り込み、最適解に近づき
容易に目の前に選択肢を用意してくれますが、
私たちが「コーディネート」を試みる時に、
新しいシナリオを共に創ることに役割はないことに
気が付かれるかと思います。(項目了)

私たちが抱くジレンマ 「効能」と「限界」

私たちが、サービスを受けるとき、そのサービスがもたらす効果を分かっています。

お店に行けば、商品があることを分かっています。

アイドルに会いに行けば、そこに笑顔があることを分かっています。

システムを使えば、効率化が出来ることを分かっています。

マッサージを受ければ、スッキリすることが分かっています。

 

仮に、その期待から外れたとしても、期待外れ感は一瞬のことであり、

代わりのものを探し、手に入れることが出来ます

 

しかし、あなたがサービスを提供する側に立ってみると

自分のお店は、品ぞろえが足りなくて、無い商品がある。

自分は笑顔をふるまえるけど、アイドルだから自分が本当に言いたいことは言えない。

自分の作ったシステムは、予算の関係上出来なかったこともある。

自分の手のひらはカラダのコリはほぐせるけど、ココロのコリまではほぐせない。

と、自分が出来ることと出来ないことに悩むことがしばしばあります。

 

ココだけ見てみると、単なる「不足」「不備」「不充分」といったレベルですが

これが、「仕組み」そのものの中に根付いたものであるほど、

その中に所属している従事者には出来ることがありません。

構造的なものであればあるほど、選択肢にさえないというシーンもあります。

そして、それは人が抱く挑戦や成長したい気持ちに反対にはたらき、

従事者のモチベーションやエンゲージメントを強力に削ぐこととなります。

 

このことを、「効能と限界」というワードを使い、ガイドしていきます。

 

パターンA 組織でのやり方が変わらないシーン

日本において、従事者の6%しか今の仕事に満足していなく、

残りの94%がエンゲージしていないというデータについて先ほどガイドをしました。

米ギャラップの会長は、マネジメントが上手く機能していないことに依ると指摘し、

マネジメントは改善も出来るという道筋も同時に提供しました。

 

しかし、「不足」「不備」「不充分」レベルであれば機能の改善で済みますが、

やり方が変わらないパターンもあります。例えば以下のようなシーンです。

 

「このやり方でこれまで上手く行っているのだから、

このやり方を変えることも出来ないし、必要性を感じない。」

と変化をおそれる頭の固いマネージャー氏が、

問題に直面している現場職員に言うときです。

 

 

ここでは、問題に直面している現場職員は、

単なる「不足」「不備」「不充分」を補うに留まらない危機感を抱いています。

「そのやり方は、今は機能しているかもしれないが…

より大きな機会を逃しているのではないか。

このままでは新しい状況に対処・適応することができなくなるかもしれない。」

 

マネージャー氏が「今のやり方を信じている」ということがポイントです。

それは自らが一から考え編み出したやり方ではなく、

誰かに教わったものであり、他の人も同じようにしていることであり、

その組織内における単なる「お作法」にしかすぎないものですが、

現場職員は、そのやり方ではケアできない領域があったとしても

今のやり方をするしかないので手を出すことは出来ません。

 

そして、「私の言う通りにしなさい」「なんで、あなたはその通りに出来ないの」

このように言うマネージャー氏は、多くの場面で見かけます。

 

そして、場面は違いますが、違うパターンを次に挙げます。

 

パターンB お互いに満足しているシーン

私は30代前半の時期に、カウンセリングを勉学していたことがありました。

当時は、共に勉学していた複数人もいたことから

丁度良い規模感覚でアットホームな雰囲気のもと学んでおりました。

カウンセリングスキルはセンスがあったかというと、あったかもしれないし

なかったかもしれないとも言えます。

当時かき集めた教本は今でも本棚の中にあります。

 

心理援助職の必要性と重要性は高く、専門家が求められる場面は

重大な災害、事件があった際のケアには欠かせなく、

組織マネジメントにおいても従事者のケアへの要請もあることから

依然として大きな市場ではないものの、

貢献意欲のある方には人気の学びであると思います。

 

勉学をもっと進めたかった想いはありますが、

今はカウンセリングそのものを学ぶことをやめております。

当時の状況や理由がありますが、本当に辞めた理由をこれからガイドします。

カウンセラーやコーチなどの心理援助職に居る方が発行しているブログでは

自分が発見した気づきを発信しているものをよく見かけます。

 

色々な表現がありますが、たとえばこのような感じでしょうか。

「今まで目をそらしていたけど、やっと見つかった」

「そこにある闇に、光は差し込む」

「あなたが変われば、周りも変わる」

「思わず涙が止まらなかった」

 

このこと自体は、彼や彼女が感じたココロの動きであり、

それを言語化して表現することについて、是非を問うものではありません。

むしろ、受け手が、話の聞き手や救いを求める時に、ドアが開いていて

その中に居る人がどんな人かを伝えることに何も遮るものは無いはずです。

 

そして、人を癒すことに一生懸命なカウンセラー・コーチは

「私はあなたの話を一生懸命に聴きます。あなたを癒したい」と思っています。

悩みの中に居るクライエントは、こうフィードバックします。

「あなたが私の話を聴いてくれたおかげで、私は癒されました」と。

 

援助者が抱える限界

カウンセリングそのものは、時の流れを要することから、

1回以上を要するかもしれませんが、この関係性は、一見何の問題もありません。

問題が無い理由は、提供する側も自分のやり方を信じ、

提供される側も、出会いからはじまるはたらきかけによって

それまで抱いていた心理的問題が解決したと思っていることからです。

 

しかし、私は「犠牲者が量産されている」情勢下にあって、

社会の中にある犠牲者を産みだしている仕組みそのものには、

心理援助職は手を出しようがないことを知っています。

 

心理援助職は、先ほど書いたような

「今まで目をそらしていたけど、やっと見つかった」

「そこにある闇に、光は差し込む」

「あなたが変われば、周りも変わる」

「思わず涙が止まらなかった」

といった感情等の内面に対するフォーカススキルを磨きますが、

クライエントが直面し、犠牲となっている様々な領域に横たわる

「変わらないやり方」を変革することには一切手を出せないからです。

 

カウンセリングは、社会を変えることは出来ない。

カウンセラーは、社会を変える教育を通過しない。

この2つが、私が心理学を学ぶことを辞めている理由です。

 

あらゆる領域に横たわる効能と限界

about Youでは、主宰の私が過去学んだカウンセリングを例に書きましたが、

あなたが所属している業界や社会においても、

いたるところに「効能」と「限界」があることを念頭に置きます。

 

効能とは、与える側が受け手側に提供する「作用」または「影響」のこと。

限界とは、効能を信じている限り、「永遠に着手・解決できない領域」のこと。

 

一般に、効能というときは「薬の効能」というように、

物の効き目のこと、それも良い方面での効き目を指します。

限界という言葉も、物事が及ぶ一番端のことを指したり、

スポーツなどでは、個人の潜在的能力を引き出すように

持っている能力を「最大限」発揮することに使います。

 

一般とは違う使い方をしていますが、あなたが従事しているサービスや

関わっている仕組みが抱く「効能」が強く、

「限界」が動かせないものであればあるほど

業界や社会に横たわる「変わらない仕組み」同士が

その中に居る挑戦や成長したい気持ちを抱く個人に反対にはたらき、

彼のモチベーションやエンゲージメントを強力に削ぎます。

すなはち「犠牲者の誕生」であり、「犠牲者の量産」です。

その犠牲は仕組みの下に居る従事者だけではなく、

挑戦や成長が阻まれる貧困や格差の固定化にある社会に及び、根付いています。

 

一度、表にして並べてみます。

領域

パターンA

パターンB

組織でのやり方が変わらないシーン

お互いに満足しているシーン

効能

・通用した時期があった。

・一応、マネジメント出来ている。

・受け手側には「効能」が効いている。

・与える側はそのやり方を信じて、疑っていない。

限界

・ケア出来ていない領域に永久に着手出来ない。

・「変わらない仕組み」の中で、受け手側をはじめとした犠牲者が増え続ける。

・与える側は限界領域に目が向かない。故に、効能が利く受け手を探すのみで、限界領域に居る層に働きかけない。

・与える側が効能領域の裏にある限界領域にスキル的に対応できない。

 

以下、効能と限界について、いくつか補足説明を書き足します。

・「効能」を、与える側が受け手側に提供する「作用」または「影響」を指すこと

と書きましたが、与える側にとっては、彼の能力の範囲内で起こるコトであり、

受け手側にとっては、それで十分だと思い込んでいるコトです。

与える側と受け手側は、サービスの提供者と受益者以外にも、

仕組みの運営者と仕組みの中に属している従事者という関係もあります。

・「限界」を、効能を信じている限り、「永遠に着手・解決できない領域」

と書きましたが、社会課題等においては、与える側の能力の範囲内にしか、

効能が及ばない状態または情勢のことをも「限界」と指すこともあります。

書き分けるとしたら「限界があることによって生じている状態情勢」かもしれませんが、

段々何を言っているか分からなくなることから、文脈によって

「領域」か「状態または情勢」を読み分けていただくしかないと思っています。

 

私たちが逃れられない「変わらない」という「仕組み」

この効能と限界について書き込むことで、前章で紹介した経済産業省発行の

「不安な個人 立ちすくむ国家」内にある「モデル無き社会」を構成する

「変わらない仕組み」とは何かを言い換えることが出来ます。

「変わらない仕組み」とは、各者が夫々携わっているモノゴトについて

その効能の範囲外のコトやシステムによって生じている犠牲者をケア出来ない

というジレンマを常に抱えている状態のことであると。

仕組みが変わらないということではなく、

ジレンマを常に抱えていること自体が仕組みなのです。

 

「変わらないこと」そのものが、仕組みであるとも言えます。

 

あなたには、ショックかもしれません。

書いている私もショックなくらいです。

「変わらないこと自体」が仕組みであることによって

たとえばこのようなジレンマを私たちは抱えています。

 

1.多くの人が、「それ以上」になれないか、「それ以外」ができない。

 これは、自分が自らの殻を破れず、壁を破れないということではなく、

 社会や業界に横たわる仕組みが抱える限界によって、

挑戦や行動に制約を受けていることを指しています。

 

2.受け手側は、与える側の「効能」の範囲でしか、利用・参加できない。

 サービスを受ける側が、与える側の市場を拡げる可能性が潜むニーズを抱いていても

 提供する側が、そのニーズを翻訳し、編集を試みない限り、

 受け手側は、サービスの提供者側の都合に合わせて利用や参加をするしかなく、

 本来のニーズの解決が出来ないコトを指しています。

 

3.与える側は、「限界」を解消・克服する代替案を提示する能力がない/代案を持たない。

 「限界」とは、効能を信じている限り「永遠に着手・解決できない」ことから、

 従事している側に居る限り、効能を信じて仕組みや業務を運営するので、

 限界を解消しようと試みたり、克服する代替案を持ちようがありません。

 限界を打破する代替案を提示・展開出来る能力は、

 業務遂行能力とは違う領域にあり、組織内において育成されることもないことから、

 与える側の従事者が、代替案を提示し展開することは、ほぼ不可能です。

 

箇条書きで書いたことを、お伝えしようと思うと少し難しく、

それも分かりやすく書ききれないことに力量不足を感じるところですが、

パーソナルとビジネスとソサイエティの3つの領域に関連していることから、

個別にケースをお伝えする機会があれば、席を設けてみたいとも思っています。

パターンAとしての「組織でのやり方が変わらないシーン」と

パターンBとしての「お互いに満足しているシーン」に居る方が

「効能があるから、ソレで良いのだ」と留まっている限り、

効能の範囲外で起きていることの着手は不可能ではないかと考えます。

 

「変わらない」という仕組みに抗うには

すなはち、格差と貧困が固定化するモデル無き社会において、

手にかけられていない多くの社会課題がそのまま犠牲者を産み続け、

顧客の自己実現に資するサービスが開発されないまま、

未来の顧客・未来の市場が見出さないのです。

少なくても今後も便利になることは便利になりますが、

私たちを取り巻く閉塞感が解消されることはありません。

 

未来が暗いことばかり言っているようですが、

私は主な対応は2つの方向にあることも掲げます。

 

一つの方向は、効能の範囲を限界領域に届くように拡げることです。

ただし、機能の改善に留まらないことから非常に難しいもしれません。

限界領域にあるニーズが「市場」だという証明が求められることからも、

如何に自分のビジネスがケア出来ていない領域を見つめ、

リソースを組み立てなおす構想力を必要とします。

 

もう一つの方向は、今のままでは永遠に着手・解決できない領域を

ケアできる仕組みを外側から編み出すことです。

ソーシャルビジネスの立ち上げをイメージするかもしれません。

マーケットを絞ることをセオリーとするソーシャルビジネスは、

一人ひとりと向き合うことの喜びと達成感はありますが、

犠牲者が量産されている構造にまで手を掛けるやり方ではありません。

このやり方を取る構想者・創造者・プロデューサーが必要となります。

about Youは、こちらに居る者としてあなたに語りかけています。